6.コインランドリー開業に必要な資金と調達方法

― 予算を押さえることが成功の第一歩 ―

コインランドリー開業を考えるとき、最初に押さえるべきは「必要な初期費用」と「資金をどう用意するか」です。
立地や規模によって差はありますが、数千万円単位の投資が必要になるのが一般的です。


初期費用の内訳(目安)

項目内容費用の目安
物件取得費保証金・礼金・仲介料など賃貸の場合:100〜300万円程度
内装工事費給排水工事、床・壁・電気設備坪単価 30〜50万円程度
機器購入費洗濯乾燥機、大型乾燥機、スニーカー洗濯機など1台あたり100〜250万円、合計1,500〜2,500万円
店舗設備両替機、監視カメラ、換気、空調200〜400万円
宣伝広告費チラシ、Web広告、看板、オープンイベント50〜150万円
その他予備費登記・保険・予備資金100〜300万円

👉 合計すると 2,000万〜3,000万円程度 が開業予算の目安となります。


公的融資の活用(日本政策金融公庫など)

資金調達の中心となるのが 公的金融機関からの融資 です。
特に「日本政策金融公庫」は、創業融資制度が充実しており、初めての事業者でも利用しやすいのが特徴です。

  • 融資限度額:4,800万円(うち運転資金は1,500万円まで)
  • 金利:年1〜2%台(条件により変動)
  • 返済期間:設備資金は最長20年

また、自治体や商工会議所を通じた 制度融資 を利用すれば、信用保証協会の保証付きで銀行融資を受けやすくなります。


補助金・助成金の活用

補助金や助成金を併用することで、自己資金や融資の負担を減らすことも可能です。

代表的なものは:

  • 小規模事業者持続化補助金(上限50万円〜200万円、広告宣伝や内装費用に活用可能)
  • ものづくり補助金(上限1,000万円、最新省エネ機器や新サービス導入に活用可能)
  • 各自治体独自の助成制度(省エネ設備導入補助など)

💡 ただし補助金は「申請→採択→交付」の流れがあり、すぐに現金が入るわけではないため、資金繰りを考えた上で利用することが大切です。


まとめ

なにはともあれ予算を固めよう

  • コインランドリー開業には 2,000万〜3,000万円規模の初期投資 が必要
  • 融資は 日本政策金融公庫+制度融資 が王道ルート
  • 補助金・助成金をうまく組み合わせれば負担を軽減できる

まずは自分の資金力と調達可能額を把握し、現実的な予算計画を立てることが最初のステップです。


モデル資金計画シミュレーション

例えば、総投資額 2,500万円規模の開業 を想定した場合の資金計画例は以下のとおりです。

項目金額備考
自己資金500万円(20%)融資審査の通りやすさを考えると、最低でもこの程度は用意したい
公庫融資(日本政策金融公庫)1,200万円(48%)創業融資を活用。返済期間10年で想定
制度融資(銀行+保証協会)600万円(24%)信用保証協会付きで融資実行しやすい
補助金・助成金200万円(8%)小規模事業者持続化補助金などを活用

👉 この場合、

  • 自己資金500万円をベースに、
  • 融資1,800万円、補助金200万円を組み合わせ、
    2,500万円の総投資をカバーするイメージになります。

ワンポイント

  • 自己資金割合:総額の20〜30%あると融資は通りやすい
  • 補助金:あくまで“プラスα”と考え、メイン資金は融資で確保
  • 返済計画:月々の返済額と予想売上のバランスを必ずシミュレーション

まとめ

予算感を数字でイメージすることが第一歩

「なんとなく数千万円必要」と思うのと、具体的に「自己資金500万+融資1800万」とイメージできるのとでは、準備の進み方がまったく違います。
まずは 自分の資金力を数値化 し、現実的な資金計画を描くことが成功へのスタートラインです。