町で唯一のランドリー開業ストーリー!地域密着型でリピーターを獲得

地元で長年続く家業のクリーニング店を母と共に守る中、お客様の声や地域のニーズを受け、音戸町唯一のコインランドリーを開業しました。
家族の想いを引き継ぎつつ、暮らしを支える存在として運営し、季節や天候に応じたサービスや安全・清潔管理に注力しながら、地域に愛される店舗として成長してきた実践的な運営ストーリーです。

店舗・オーナープロフィール

店舗名

オンドリー

住所

〒737-1207 広島県呉市音戸町波多見3丁目1−4

お名前

舩本 誠志さん(オーナー)

開業年

2018年

開業のきっかけについて

音戸町唯一のコインランドリーとして2018年6月にオープン。
元々クリーニング業は父が昭和48年から営んでおり、引き継いだ経緯があります。

以前は営業職として中四国への出張が多くありました。
出張先で、田んぼの真ん中でもランドリーが繁盛しているのを見て、
『地元にも必要なんじゃないか』と思ったんです。

地元で長くクリーニング店を営んでいた父が引退し、長男がその仕事を引き継ぎました。
しかし父が他界し、その後長男も事故で急逝してしまいました。
突然の出来事に戸惑いながらも、母と二人でクリーニング店を守り続ける日々が始まりました。

そんな中、お客様から「コインランドリーはやっていないの?」という問い合わせが増えていきました。
地域に求められている声を肌で感じるうちに、これは自分が取り組むべき新たな役割であり、挑戦するべきチャンスだと強く思うようになりました。

大きな決断でしたが、覚悟を持って借入を行い、コインランドリーの開業に踏み切りました。
地域の暮らしを支える仕事を、家族の想いとともに引き継いでいきたいという気持ちが、その一歩を後押ししました。

開業後の運営実態

◎ 売上と稼働の傾向

売上は季節や天候の影響を大きく受けます。
夏場は洗濯量がやや減る傾向にありますが、お盆などの帰省シーズンは洗濯・乾燥ともに利用が増えます。

特に雨の日は乾燥機の稼働が一気に上がり、梅雨時期は年間で最も稼働が高まるタイミングです。
また、季節の変わり目も繁忙期となり、3〜6月頃10〜11月頃には衣替えの“駆け込み洗濯”で利用が増えます。

年末年始の帰省時期も乾燥需要が高く、安定した売上が見込める時期です。

布団類に関しては、クリーニングよりコインランドリーの方が費用を抑えられることもあり、利用者からの評価が高いメニューです。

  • クリーニング価格の目安
     毛布(S)…約1,200〜1,500円/枚
     羽毛布団…約4,000〜6,000円/枚
  • コインランドリーの目安
     約2,000円程度で、毛布(S)なら3〜4枚、羽毛布団なら1〜2枚洗えるケースもあり、
     使い方次第ではさらにコストを抑えることも可能です。
    (※目安はオンドリーの場合)
◎ 顧客層

利用者は近隣の住民を中心としたリピーターが多く、日常的に使われています。
年配の方の利用も多く、学校関係者や研修生を雇用する企業の方がまとめ洗いで訪れることもあります。

皆さん「便利で安いから助かる」と言ってくださり、店内も丁寧にきれいに使っていただけるため、
とても良い関係性で運営できています。

◎ 清掃と管理

店内外の清掃や、乾燥機フィルターの手入れは毎日1時間前後行っています。
特に乾燥機のリント(ほこり)除去は重要で、ほこりが溜まると乾燥効率が落ちるため、念入りにチェックしています。

また、座布団・クッションなど洗濯不可の品による事故防止にも力を入れています。
持ち込まれているのを見かけた際は、理由を丁寧に説明し、誤使用を未然に防ぐようにしています。

洗濯の可否が分からない場合は、お客様から電話をいただき、
無人店舗のため防犯カメラで現物を確認するか、当社のクリーニング店に持参してもらい検品することもあります。
羽毛布団に破損があった場合には、無償で補修するなど、安心して利用いただける対応を心がけています。

成功の工夫と差別化

1.立地の重要性
音戸町で唯一のランドリーという希少性と、生活動線に合った利便性が大きな強みとなり、安定したリピーター獲得につながっている。

2.リピーターを大切にする運営
季節ごとの衣類需要や地域の暮らし方に合わせたサービスを取り入れることで、常連のお客様が戻ってきやすい環境づくりを心がけている。

3.“ランドリー単体では成り立たない”という意識
コインランドリーだけで収益を確保するのは難しく、クリーニングとの連携や地域イベントとの組み合わせが成功要因となっている。長年のクリーニング業としての知識・実績、そして過去の失敗経験も糧に、複合的な価値提供を行っている。

4.安全・安心への徹底した配慮
滑り止め付き衣類や特定の布団類など、洗濯不可・要注意のアイテムについては店頭で説明とチェック体制を整備し、事故防止に努めている。場合によっては「自宅での洗濯の方が安全」と案内することもあり、洗って失敗してしまうケースを限りなくゼロに近づける運営を徹底している。

オーナーとしての本音

喜び

地元の皆さまから「近くて便利になった」「とても助かる」といったお声をいただけることが、本当に嬉しく感じています。クリーニングとコインランドリーの両方をご利用いただくことで、自然に相互利用が生まれている点も興味深く、店舗としても大きな強みになっています。

また、年配の方からは「遠方まで持っていかなくてよくなった」「高額なクリーニング店に出さずに済むので助かる」といったお声も多く、地域のお役に立てていることを実感しています。(とはいえ、私自身がクリーニング店主なので少し複雑なのですが…笑)

大変だったこと

座布団や布団、水洗いができないアイテムに関するトラブルが時折発生していました。具体的には、座布団や布団が変形したり、中の綿が飛び出してしまうケースです。また、店舗の裏が山ということもあり、数年前にはカメムシが大量発生し、その対応に追われた時期もありました。

しかしながら、電話での事前案内や店内カメラの活用、そして当社のクリーニング店で検品対応を行う仕組みを整えてからは、洗濯不可アイテムによる事故はほとんど発生しなくなりました。体制づくりによってトラブルが大幅に減り、安心して運営できるようになったことを実感しています。

未来のオーナーへのアドバイス

まず、立地選びが何より大切です。競合が少なく、地域の生活動線にしっかり合っている場所を選んでください。また、ある程度は機械の扱いに慣れておくと、日々の運営が格段にスムーズになります。

次に大事なことは、リピーターの方を大切にし、地域性に合わせたサービスを考えることです。
お客様のニーズに合った料金設定を行うことで、長く利用してもらえるお店になります。

無人運営であっても、安全管理は必須です。取り組むからには、本気で向き合うことをおすすめします。

そして、コインランドリーで最も重要なのは「お店が清潔であること」です。
お客様は汚れ物を洗いに、洗ったものを乾燥しに来店されます。
店内が汚れていたり、放置された洗濯物が散乱していたりすると、それだけで利用を避けたい気持ちになるはずです。

私自身、常に清潔さを保つよう心がけてきたことで、お客様も自然と丁寧に設備を使ってくださるようになりました。清潔な環境づくりは、お店にもお客様にもメリットしかないと感じています。

また、長く安定した経営を続けるためには「原価計算を正しく行うこと」も欠かせません。
水道光熱費、洗剤や柔軟剤の消耗品、メンテナンス費用など、1回あたりの実質コストを把握しておくことで、適切な料金設定や販促の判断ができるようになります。
数字を把握しておくことは、結果的にリスクを減らし、経営判断の精度を高めてくれる大切なプロセスだと実感しています。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
皆さんの挑戦が素晴らしい一歩になりますよう、応援しています!

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