旅人と日常が交わる、ランドリーカフェ。熊野古道の玄関口・田辺でつくる、新しい“集う場所”のかたち

和歌山県田辺市で2024年に開業したランドリーカフェ。
「作業ができ、気軽に立ち寄れる場所が少ない」という自身の体験を出発点に、
旅行者と地域住民が自然に交わる場を目指して立ち上げた。

熊野古道に近い立地を活かし、カフェを軸にランドリーを日常の延長として設計。
試行錯誤を重ねながらも、洗濯の場を超えて人が集い、滞在する時間を生む空間へと育っている。
まちに開かれた“憩いの場所”をつくる、地域密着型ランドリー経営のリアルな事例。

店舗・オーナープロフィール

店舗名

Oyakon Cafe と Laundry(オヤコンカフェとランドリー)

住所

〒646-0031 和歌山県田辺市湊22−6

お名前

濵口さん(店長)

開業年

2024年

開業のきっかけについて

和歌山県田辺市に来て感じたのが、「パソコン作業ができて、気軽に過ごせる場所が少ない」ということでした。
そんな中で、両国の喫茶ランドリーなど、ランドリーをきっかけに人が集い、
まちづくりにつながっている事例を知り、
「田辺にも、こういう場所があったらいいな」と思ったのが最初のきっかけです。

熊野古道が近く、ゲストハウスも点在するエリアなので、
旅行者と地域の方、どちらも自然に使える場所になればいい。

洗濯という日常の行為に、少し居心地の良い時間を足した空間をつくりたいと考えました。

開業準備

情報収集はほぼネットから始めましたが、実際に運営している人の話を聞きたくて、
東大阪でランドリーカフェをされている方を訪ね、かなり具体的なアドバイスをいただきました。

地方ではおしゃれな店舗が少なく、若い人が気軽に入れる場所も限られている。
だからこそ、「田辺にないもの」をつくりたいという思いが強く、デザインや雰囲気には特にこだわりました。

一方で、最初は見た目や価格を重視して電気乾燥機を導入しましたが、試運転すると「全然乾かない」。
知り合いのガス屋さんに相談し、急きょガス乾燥機を追加しました。

この経験から、デザインだけでなく実用性を最優先で考える大切さを実感しました。

開業後の運営実態

現在の構成は、洗濯機3台、電気乾燥機3台、ガス乾燥機2台。
ガス乾燥機は乾き方がまったく違って、導入して本当によかったと思っています。

ランドリーは24時間営業で、毎日の掃除や乾燥機のフィルター清掃にかかる時間は20分ほど。
負担はほとんどなく、夜間の利用もありますが、大きなトラブルはこれまでありません。

売上は当初の想定の半分〜3分の2ほどですが、リピーターが多く、Google検索をきっかけに来店される方も増えています。

成功の工夫と差別化

この場所では、カフェが主役で、ランドリーはその延長線上にあります。
カフェやレンタルスペースを利用して知ってくださり、
「ここにランドリーもあったんだ」と使い始める方も少なくありません。

近隣には大型ランドリーもありますが、毛布や大物洗いはそちら、
日常使いはこちら、という使い分けが自然にできていると感じます。

また、旅行者、とくに熊野古道を歩く大きなリュックを背負った方が、
洗濯しながらゆっくり過ごせるのも、この立地ならではです。

開業形態

フランチャイズも調べましたが、大型設備が前提だったり、
運営方針が自分の考えと合わず、独立開業を選びました。

自分たちの手が届く規模で、無理なく続けられる形が一番だと思っています。

導入した海外メーカーの機械は、設置のためにわざわざ来日してくれた点は良かった一方、苦労することもありました。
珍しいメーカーを選ぶ場合は、その後の対応まで含めて考える必要があると学びました。

オーナーとしての本音

結果的にランドリーは、
洗濯をするためだけの設備ではなく、人が自然と集い、時間を過ごすきっかけを生む場所になってきています。

洗濯の合間にコーヒーを飲んだり、作業をしたり、誰かと会話が生まれたり。
日常の中に、少し余白のある時間をつくれている実感があります。

今後は、ランドリーやカフェにとどまらず、
「この場所で何ができるか」を少しずつ広げていきたい。
地域の方も、旅の途中の方も、ふっと立ち寄って一息つける。
そんな、まちにある“憩いの場所”として、この空間を育てていけたらと思っています。

そしてこれからランドリーを始める方に伝えたいのは、
「導入を検討している機械は、必ず一度自分で使ってみてほしい」ということです。
見た目やカタログだけでは分からない使い勝手や性能の差は、実際に触れてみて初めて見えてきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
皆さんの挑戦が素晴らしい一歩になりますよう、応援しています!

この事例について、もう少し詳しく知りたい方へ

記事では伝えきれなかった背景や、実際の運営のリアルについて、内容に応じて、オーナーへの取次や追加情報のご案内が可能な場合もあります。
ご興味のある方は、ランドリー総研コンシェルジュまでお気軽にご相談ください。

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