ランドリー総研

愛媛県内にクリーニング47店舗、コインランドリー23店舗という圧倒的なネットワークを展開する「ワシ屋グループ(クリーニングドクター)」。地域に根ざして70年以上の歴史を持つ同社がいま、コインランドリー経営の新たな地平を切り拓いています。
その象徴的な店舗が、2023年9月にオープンした「コインランドリー ハローズ東予店」です。同社が主導するこのプロジェクトは、単なる「洗濯の場所貸し」という従来のコインランドリーの枠組みを大きく超えています。
スーパー併設・有人管理・24時間営業という「安心の三段構え」に加え、洗濯のプロとして辿り着いた環境配慮型洗剤「wellwash 海をまもる洗剤」の導入。なぜ、地域最大のクリーニングチェーンが、自らのノウハウをコインランドリーに注ぎ込み、さらには「洗剤物販」という新たな領域にまで踏み込んだのか。その戦略的意図と、現場で起きている「洗濯文化」の変革を詳しく紐解きます。
クリーニングドクター・コインランドリー ハローズ東予店
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店舗名 |
クリーニングドクター・コインランドリー ハローズ東予店 |
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住所 |
〒799-1351 愛媛県西条市三津屋207番地1 |
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お名前 |
株式会社ワシ屋グループ 村上さん |
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開業年 |
2023年 |
【開業のきっかけ】先代が蒔いた「併設」の種。26年を経て盤石なコインランドリーインフラへ
私たちのコインランドリー事業の歴史は、今から26年前、私の先代が最初の一歩を記した時にさかのぼります。当時は現在のようなコインランドリーブームが起こる遥か前。家庭への全自動洗濯機の普及が加速する中で、クリーニング店がコインランドリーを手掛けることに対し、「自社のクリーニング需要とシェアを奪い合ってしまうのではないか?」という慎重な見方や、相乗効果を疑問視する声が社内外から上がったこともありました。
しかし、先代の視座はもっと先を見据えていました。生活スタイルの変化に伴い、セルフ洗濯のニーズが必ず高まること、そして「大型の毛布や布団を洗いたい」という潜在需要が家庭には必ず眠っていることを確信していたのです。先代は、クリーニングとコインランドリーは「奪い合う関係」ではなく、共に地域の「衣」を支える「補完関係」にあると定義しました。
この信念に基づき、私たちは愛媛県内の大型スーパーへの出店戦略を徹底してきました。大型スーパーとの強固な信頼関係を築き、新店舗の展開に合わせてコインランドリーを併設する。この地道かつ戦略的な積み重ねが、現在のコインランドリー23店舗という、愛媛県内広域をカバーする盤石なインフラへと結実しました。
2023年9月に誕生したハローズ東予店は、この26年にわたる歴史とノウハウを継承しながら、私が考える「次世代の付加価値経営」を具現化した、グループの総力を結集した戦略拠点なのです。
【開業準備と開業後のリアル】最新設備の導入と「利用者の心理」を捉えた店舗設計
大型スーパーの開業にあたり、周辺にはすでに競合となる他社のコインランドリーが存在していました。しかし、私に焦りはありませんでした。既存店は設備の老朽化が進んでおり、清潔感や利便性の面で、洗濯のプロである私たちの基準から見れば「もっと改善できる余地」が多分にあると感じていたからです。
「新しくて清潔な店舗ができれば、必ずお客様は来てくださる」。その読みは的中しました。オープンから1年目、2年目と、売上は事前のシミュレーションを上回るペースで右肩上がりに成長しました。3年目に入り天候の影響で推移が落ち着く時期もありましたが、月次ベースでは安定した高稼働を維持し、地域一番店としての地位を確立できていると自負しています。
この成功を支えているのは、単なる設備の「新しさ」だけではありません。私が特にこだわったのは、利用者の心理的なハードルを下げるための「視線のコントロール」と「動線設計」です。
コインランドリーという場所は、プライベートな洗濯物を扱う場所です。「洗濯物を畳んでいる姿を他人に見られたくない」「外を歩く人と目が合うのが恥ずかしい」という心理的抵抗感は、特に地域コミュニティが密接なエリアでは根強く残ります。
そこで店舗設計時は、クリーニングの有人カウンターとコインランドリーの作業スペースの配置を工夫し、互いの視線が直接ぶつからない死角をあえて作りました。この「見られているようで、見られていない」という絶妙な安心感が、お客様に「家で洗えるけれど、あえてこの快適な空間で洗いたい」と思わせるリピートの鍵となっています。洗濯のプロだからこそ気づくことのできる、空間のホスピタリティを形にしたのです。
【経営の工夫と差別化】有人管理×24時間営業が生む「選ばれ続ける3つの理由」
無人店舗が乱立する現在のコインランドリー市場において、私たちがお客様から圧倒的な支持をいただけている理由は、一貫して守り続けている「3つの安心」に集約されます。
- 「有人店舗併設」による絶対的な清潔感と信頼
日中はクリーニングドクターのスタッフが常駐しています。これにより、機器の不具合や使い方がわからない方への即座のサポートが可能になるだけでなく、何より清掃が徹底されます。コインランドリーにおいて「清潔さ」は最大の集客要因です。スタッフの目が届いているという事実が、他店との決定的な差を生んでいるのです。 - 「24時間営業スーパー併設」がもたらす防犯性
大型スーパーのように24時間営業のスーパーと隣接していることで、深夜や早朝でも駐車場には常に灯りがあり、人の目があります。かつてコインランドリーにつきまとった「夜間は入りにくい」というイメージを完全に払拭しました。女性一人でも、時間を問わず安心して利用できる環境が、稼働時間の最大化に貢献しています。 - 「生活導線」の中にある利便性の追求
「洗濯機を回している間にスーパーでお買い物を済ませ、乾燥が終わる頃に戻ってくる」。この「ついで」が成立する立地戦略を徹底してきました。クリーニングを出すついでにランドリーを回し、その間に食材を買う。この効率的な生活導線を提供し続けることで、お客様のライフスタイルの一部として「なくてはならない場所」になっているのだと実感しています。
さらに、有人店舗である強みを活かし、スタッフが「wellwash 海をまもる洗剤」の価値を直接お客様に伝えられることが、単独の無人店舗では真似できない「選ばれる理由」になっています。
【wellwash導入の経営判断】コインランドリーを「正しい洗濯」の啓蒙と物販の拠点に
クリーニング業界がいま、テレワークの普及やクールビズの定着といった生活様式の変化により、大きな転換期を迎えていることは間違いありません。その中で、私たちが掲げているのは「現状維持は衰退なり」という攻めの姿勢です。その新たな挑戦の核として、ランドリー店舗での「洗剤物販」という新たな収益モデルの構築に踏み切りました。そのパートナーとして選んだのが、SAVE THE OCEAN社が展開する「wellwash 海をまもる洗剤」です。
この洗剤との出会いは、当初「物販による新たな収益の柱」を探るという実務的な理由からでした。しかし、代表の東本様の話を聞く中で、私の心境に大きな変化が訪れました。
「服をキレイにすればするほど、実は海を汚してしまっているのではないか」。 クリーニング業界の排水パイプの奥に溜まる油汚れ、それが海へとつながっているという現実は、洗濯のプロとして目を背けられない事実でした。これまでの「汚れを落とす」という一方的な技術提供から、「海をまもりながら丁寧に洗う」という循環型へのシフト。これは、創業から受け継いできたプロとしての誇りをアップデートする決断でした。
私たちは単に棚に商品を並べるだけでなく、日中の有人時間帯にスタッフが直接「wellwash 海をまもる洗剤」をご提案しています。プロが自宅でも愛用している事実が信頼を生み、物販は順調に拡大。いまや23店舗のコインランドリーネットワークは「環境に優しい洗濯を広める物販拠点」へと進化したのです。
現在、この洗剤はハローズ東予店を含むランドリー店舗での販売にとどまらず、自社のクリーニング工場での採用、さらに全グループ店舗での推奨へと広がっています。「洗濯で海を汚す時代を終わらせる」。このSAVE THE OCEANの皆さんの志と、私たちの「正しい洗濯を広める」という情熱が、コインランドリーというリアルな接点で強力に融合したのです。
【オーナーとしての本音】企業理念の再定義と、従業員の誇りの醸成
私たちにとって、SAVE THE OCEAN社、wellwash 海をまもる洗剤との出会いは自社の企業理念を再定義する機会となりました。
私たちの仕事は、単に衣類を洗うことではありません。クリーニングやランドリーを通じて地域の皆様の生活を豊かにし、役に立つことです。その『役に立つ』という領域は、カウンターの中だけではなく、セルフ洗濯というお客様自身の時間へ、そしてご家庭の洗濯機の中へと、広げることができるのだと確信しました。
この想いは、現場のスタッフにも着実に浸透しています。これまで「受け身」の接客が多かった現場に、「自分が良いと信じるものを、お客様の悩み(アレルギーや肌荒れ、環境意識など)に合わせて提案する」という新しいやりがいが生まれました。お客様から「あの洗剤、本当に良かったわ」と声をかけていただく体験が、スタッフ一人ひとりの誇りとなり、店舗全体の活気を生んでいます。
「現状維持」を選ばず、常に「プロとして何ができるか」を問い続ける。私たちが描く未来は、ランドリー店舗を拠点として、愛媛の海を、そして人々の洗濯文化を、より良い方向へと変えていくことなのです。
【ランドリー総研の視点】「信頼のインフラ」を「価値の発信拠点」へ変える力
ワシ屋グループ、クリーニングドクター・コインランドリー ハローズ東予店の事例は、成熟したコインランドリー市場における「勝ち筋」を鮮やかに提示しています。
特筆すべきは、同社が持つネットワーク資産を、環境配慮型洗剤「wellwash 海をまもる洗剤」の普及インフラとして再定義した点です。単なる洗濯機の設置場所ではなく、有人管理の強みを活かした「洗剤物販」という付加価値を乗せることで、コインランドリーを「教育と提案の場」へと昇華させています。
SDGsという時代の要請を、自社のストーリーに無理なく組み込み、収益へと繋げる高度な経営判断。「wellwash 海をまもる洗剤」を武器にしたワシ屋グループの挑戦は、無人店舗との差別化に悩む多くのオーナーにとって、進むべき一つの道標となるでしょう。
(ランドリー総研 編集長:吉岡 文香)
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